普段、部屋にこもってテレビを観たり、パソコンをしたり、ゲームをしたりするときに、その音源の出力に、CreativeのBluetooth対応ワイヤレススピーカー「SP-T15W」を使っています。
パソコンもゲーム機もテレビに繋がっているのですが、テレビのスピーカーでは音質があまり良くありません。そこで少しでも音質を向上させようと外部スピーカーを追加しようと思い立ち、省スペースでBluetooth対応、製品の評価が良く、それでいて安価なスピーカーを条件にAmazonで検索した結果、SP-T15Wを購入するに至ったのが2014年春の出来事です。
テレビのスピーカーと比較して音質もクリアで、Bluetoothが途切れるなどのトラブルも一切なく、今日までの約4年間毎日お世話になってきました。
SP-T15Wについての不満は特にありませんが、音質が良くなると、例えばYouTubeで音楽を流すときに音量をちょっと多めに上げたくなるときがあります。しかし音量を上げ過ぎると、今度は逆に家族やご近所など周囲の迷惑にも繋がりかねません。また天候が悪いときに雨が降ってくると、雨粒が落ちてくる音でスピーカーの音がかき消されてしまうのも悩みのタネでした。
生憎、手持ちにイヤホンやヘッドホンはなく、絶対になくてはならない物ではないのでこれまで買わずにいましたが、先日どういったイヤホンが人気なのかAmazonで調べていると次第に欲しい欲が湧いてきてしまい、心変わりしないうちに買ってしまおうと思い立ちました。
JBL「TUNE205BT」を選んだ理由
まず、ヘッドホンにするかイヤホンにするかで悩みました。
僕は音響関係のことは素人なので知識はありません。なんとなくヘッドホンの方が音質が良さそうなイメージがあったのですが、ゴロ寝しながら使いたい考えもあったので、多少雑に扱っても問題無さそうで、取り回しの良さそうなイヤホンから選んでみることにしました。
次に悩んだのは、有線にするかBluetooth(ワイヤレス)にするかです。バッテリーが気にならない有線は理想ですが、パソコン、ゲーム機、スマートフォンなど、Bluetooth対応の様々なデバイスで切り替えて使いたい考えがあったこと、そしてケーブルの紛らわしさから開放されるメリットのほうが大きいと考え、Bluetoothを選びました。
そして、Amazonで「Bluetooth イヤホン」のキーワードで検索をかけるわけですが、これまた取り扱いのラインナップがたくさんあるんですよね。
知識不足故にどれを選んだらよいか迷ってしまったのですが、その中でも「SoundPEATS」(サウンドピーツ)というメーカーの「Q30」が高い人気を誇っていることが分かりました。レビュー数が圧倒的過多でありながら高評価が多いので安心感がありますが、それだけで決めてしまうのは勿体無いので他の製品も色々と探してみることに。
発売日が比較的新しく(新製品)、低価格を条件に探していたところ、JBLのBluetoothイヤホン「TUNE205BT」がヒットしました。
SoundPEATS同様にJBLというメーカーもこのとき初めて知りましたが、調べてみると「JBL by HARMAN」なんて書かれてあるんです。さらに公式サイトを覗いてみると、そこには「harman/kardon」(ハーマン・カードン)の文字が!音響関係は詳しくない僕でもハーマン・カードンの名前は知っていました。
僕はその昔に家電量販店で働いていた経験があり、そこではパソコン担当をメインに接客と販売に従事していました。東芝のノートパソコンに「dynabook」がありますが、これにハーマン・カードンのスピーカーが搭載されていたんですね。
来店したお客さんからどういった用途でパソコンを使いたいのかを伺い、店頭にディスプレイされている中から最適な1台を提案しますが、東芝、富士通、NECあたりのノートパソコンが候補に残ることが多かったです。
予算が同じであればCPUやメモリーなどのスペックは大体横並びで、あとはデザイン的な好みで決めていただくのですが、他がノーブランドのスピーカーを搭載しているなか、東芝のdynabookにだけハーマン・カードンのスピーカーが搭載されていたので、CDを再生して音質を聴き比べてもらうことで、最終的にdynabookを選ぶお客さんもいらっしゃいました。
これは女性の方に多く、「dynabookなら良い音質で音楽を流しながらパソコンが使える」という提案が、女性のお客さんに受けたのだと思います。
そんな理由からハーマン・カードンを知っていたのですが、TUNE205BTは発売日が2018年3月と比較的最近で、価格も3,000円程とお手頃、僕自身もハーマン・カードンを搭載したdynabookを使っていたことがあるので、これらの理由がTUNE205BTを購入するに繋がりました。
前置きが長くなってしまいましたが、ここからはTUNE205BTの紹介と使い心地、気付いた点をレビューしていきたいと思います。なお、マイク(ハンズフリー)については使う機会がないので触れていません。予めご了承ください。
JBL「TUNE205BT」の紹介
パッケージ
TUNE205BTのパッケージです。カラーは全6色あるラインナップのうち、ブラック/シルバーを選びました。
購入店舗はAmazonです。ポストに入りそうなコンパクトなパッケージですが、ダンボールに梱包されてヤマト運輸で送られてきました。万が一の故障にも対応できるメーカーの1年保証が付いています。
内容品
TUNE205BTの内容物は下記4つです。
- TUNE205BT(Bluetoothイヤホン)
- 充電用USBケーブル
- 取扱説明書
- 保証書
外観
TUNE205BTの外観です。価格相応の安っぽさは否めないかもしれません。
Bluetooth(ワイヤレス)で接続するのでイヤホンプラグはありません。左右間のケーブルの長さは約80cmで重さは約16.2gになります。防水・防塵機能は付いてないようです。
ケーブル部分はまるでゴムのように柔らかくしなやかな質感で、柔軟性はとても高く、使わないときは丸めてバックなどに保管することもできます。フラットなケーブルなので断線の心配も薄く、多少なら雑に扱っても問題無さそうです。
イヤホン
TUNE205BTのイヤホン部分です。耳穴に軽く押し込むようにして装着します。
画像奥の赤丸の付いたイヤホンが「R」(右耳用)、手前の青丸の付いたイヤホンが「L」(左耳用)になります。
リモコン
右耳用イヤホンのケーブルにはリモコンが搭載されており、リモコンで下記の機能を操作することができます。
- 電源 / マルチファンクションボタン
- 音量+ボタン
- 音量-ボタン
- USBコネクター
電源 / マルチファンクションボタンを長押しすると、デバイスとのペアリングの準備をすることができます。ボタンは、曲の再生、一時停止、スキップなどの操作の役割も兼ねています。
リモコン(反対側)
こちらは上記の画像と同じリモコンの反対側の画像です。以下の機能があります。
- 電源インジケーター
- マイク
電源インジケーターは、そのときの動作状態によって青または白に点灯します。
USBケーブル
こちらはTUNE205BTに同梱されるUSBケーブルです。USBケーブルの色は一般的に黒または白が多いイメージがありますが、同梱のUSBケーブルはシックな赤を採用しています。
TUNE205BTを充電するために使います。長さが極端に短いので、扱いにくい場合はUSBケーブルを別途用意したほうが良いでしょう。
良いところ
期待以上の音質
個人的にプライベートでイヤホンを使うことが本当に久々なので他との比較はできませんが、音質はとても良いと思います。
刺々しさはなく、音に立体感さえ感じさせる丸みを帯びた音質で、高音も低音も程よく耳に広がる音がとても心地よく感じられました。
これまで使っていた、SP-T15Wやスマートフォンのスピーカーからは聞こえなかった(聞き取れなかった)音が鮮明に聞こえるので、普段聞き慣れた音楽でも、「あれ?こんな音が鳴っていたんだ?」という驚きから新鮮な気分に浸ることができ、好きな音楽から新たな発見を見出すことができるなど、3,000円ほどで購入できるエントリークラスのイヤホンでもここまで贅沢できるのかと感銘を受けました。コストパフォーマンスはかなり良い方だと思います。
家電量販店で働いていたときにインカムを常備していたのですが、それで使っていた500円程度の安いモノラルイヤホンとは次元が違うことだけははっきりと理解できましたね。
掛け心地
使い始めた初日は耳の入り口の狭い部分に物を押し込んだような窮屈感があり、ちょっとだけ痛さを感じましたが、次第に耳がイヤホンの形に馴染んできたのか、2回目以降は最初に感じた窮屈感は感じられなくなりました。今では長時間掛けていても痛さを感じることはありません。
また、歩きながらの使用でイヤホンが耳から外れてしまう心配を抱いている方もいらっしゃると思います。
僕は室内で座りながらでしか使ってないのであまり参考にならないと思いますが、試しにイヤホンを装着しながら家の中を歩いてみました。
どのように装着するとイヤホンが外れにくくなるか試行錯誤してみたのですが、↑の画像はJBLの「T110BT」というBluetoothイヤホンを装着した女性の画像ですが、モデルの女性のように、ケーブルを首の後ろに回してリモコンとバッテリーを肩から前に垂らした状態で歩いてみると、イヤホンが耳から外れてしまうようなことはなくなり、イヤホンはしっかりと耳に装着されたままの状態を保つことができました。
上手に装着するポイントは、リモコンとバッテリーを肩から前に垂らすことです。肩に乗せるのは不安定だし、背中に垂らすとそれが錘になってイヤホンを下へと引っ張る重力が発生してしまい、結果的にイヤホンが耳から外れやすくなってしまいます。これはケーブルを首の後に回さずに、前掛けのように装着したときも同じです。
気になるところ
遅延がある
iPhoneやAndroidスマートフォンに数多く存在するリズムゲームアプリ(所謂音ゲー)をやってみたところ、リズムに合わせて画面をタップしたときに鳴る効果音が若干遅れて聞こえてきました。その瞬間に聞こえてくるはずの音がレイコンマ何秒遅れて聞こえてくるので、リズムが狂ったり頭の中が混乱したりで気持ちよくプレイすることができません。
リズムゲーム以外のジャンルのゲームもいくつか試してみましたが、タイトルによって「遅延があるかな?」と感じる程度で、ゲームプレイに支障が生じるようには感じられませんでした。またテレビ番組では、人の口の動きと聞こえてくる音声にズレが生じることもないように感じられました。
リズムゲームのような、音を聴いて瞬間的に反応するゲームとの相性は最悪ですが、そういった用途で使わない限りは遅延はあまり気にしなくても良いと思います。もちろん音楽を聴くだけなら何ら問題はありません。
僕としてはリズムゲームで使いたい考えがあったのですが、まさか遅延で悩まされてしまうとは思いもしませんでした…。
ノイズ・音の途切れ
音の途切れ具合は、各々の環境(無線LAN、携帯電話、電子レンジなどの電磁波)や、ペアリングするデバイスによって左右される可能性がありますが、TUNE205BTとペアリングしたデバイス(パソコン、スマートフォン)が同じ6畳の室内にある中で、極稀に音がプツプツと一瞬だけノイズが入ったり音が途切れることがありました。
室内には常に電磁波を出力している無線LANとスマートフォンがあること。また家の裏に大きなマンションが建っており、室内から多数のESSID(無線LAN)を検出できることから、僕の場合はこれら多数の電磁波がノイズと音切れに影響している可能性が少なからずあると考えています。といってもその頻度は1時間に1回位なので、気になってしまうレベルではありません。
ただ、同じ室内で使っているBluetoothスピーカーのSP-T15Wは、これまで4年間毎日使っていながらもノイズと音切れを起こしたことはほぼ皆無に等しいので、TUNE205BTは電磁波の干渉を受けやすいのかなという印象を受けました。
起動音・バッテリー警告音が大きい
電源を入れたときの起動音、電源を落としたときのシャットダウンの音、バッテリーの残量が減ってきたときに警告音が鳴る仕組みがあるのですが、これらの音のボリュームが大きいと感じています。
電源を入れるときシャットダウンするときは、そのタイミングで音が鳴ることが分かっているので意識的に構えることができますが、音楽を聴いてリラックスしているときにバッテリーの警告音が不意に鳴ると、人によっては体が仰け反ってしまうようなビックリがあるかもしれません。これらの音はボリュームの設定を無視するようで、音量を小さくしていても意味はないようです。そう感じるのは僕だけかもしれないですが、個人的にこのバッテリー警告音が苦手です。
ちなみに、バッテリーの残量はリモコンの電源インジケーターの色で確認することもできるので、いっその事これらの音は無くても良かったのでは?と感じています。
取扱説明書に日本語がない
同梱されている取扱説明書は、英語や中国語など様々な言語で書かれた多言語なものになっていますが、そこには日本語による商品説明が書かれてありません。※保証書も多言語ですが日本語は含まれています。
取扱説明書が同梱されていながら日本語で書かれてないので不親切さは否めませんが、日本語の取扱説明書は、JBL公式サイトのTUNE205BTの商品ページからPDFファイルでダウンロードすることができます。
操作に慣れない方は、ダウンロードした取扱説明書をプリンターで印刷して常に確認できるようにしておくと良いかもしれません。
ランニングに使えるか
ランニングで実際に試したわけではありませんが、TUNE205BTを装着したまま小刻みにジャンプすると、その動きに釣られるようにケーブルが上下に動いたり、リモコンとバッテリーの位置がズレてきたりで、それらの煩わしさが気になることでランニングどころではなくなってしまうと思います。
僕も個人的にジョギング程度のゆっくりなスピードで外を走っていますが、TUNE205BTを装着して外を走りたいとは思いませんでした。
強いてい言うなら、早歩き程度までなら使えると思います。
PS4とペアリング
もともとゲームでも使いたい考えがあったので、PlayStation 4とのペアリングを試みてみました。
PlayStation 4の設定画面からTUNE205BTを検出できるものの、そこからペアリングしようとすると、PlayStation 4はBluetoothオーディオ機器に対応していない旨のメッセージが表示され、ペアリングすることができませんでした。
調べてみると、USBのBluetoothレシーバーを用意すればPlayStation 4とペアリングできるようですが、今回はそこまで検証できていません。
PS Vitaはペアリング可能
PlayStation Vitaとのペアリングは問題なく行うことができました。
手持ちのゲームをいくつか遊んでみたのですがその違いは明らかで、本体のスピーカーからは聞こえなかった(聞き取れなかった)音が鮮明に聞こえたり、声優さんが話す声からは吐息すら聞こえてきそうなほどに音質が高まることが分かりました。
ちなみに、PlayStation Vitaのリモートプレイを活用すれば、PlayStation 4のゲームをPlayStation Vitaの画面でプレイしながらTUNE205BTで音声を聴けることを確認しています。
レビュー(評価)まとめ
以上、JBLのBluetoothイヤホン「TUNE205BT」のレビュー(評価)でした。
実際に使ってみて分かったことは、「TUNE205BTは手頃な価格のBluetoothイヤホンで高音質な音楽を楽しみたい方におすすめできる商品」ということです。
イヤホンにこのようなニーズを求める人は多いでしょうから、TUNE205BTは今後益々の注目を集めるイヤホンになることは間違いないでしょう。
その一方で、高音質なサウンドを楽しめる反面、気になるところも多々ありました。なかでも起動音やシャットダウンの音などが騒がしく感じるのは個人的にマイナス要素です。もう少し音が小さければ気になるところでは挙げなかったかもしれません。
また、遅延については音楽などの普段使いで気になることは少ないと思いますが、リズムゲームでメインに使いたいのであれば、Bluetoothではなく有線接続のイヤホンから探してみることをおすすめします。
TUNE205BTは、これまでの僕のように普段からイヤホンやヘッドホンを使わずに、スピーカーで音楽を聴く生活を送っている方にもおすすめしたいイヤホンです。聞き取りにくかった小さな音までもが鮮明に聞こえるので、普段聞き慣れている音楽でもこれまでとは違った新鮮さを感じられたり、新しい魅力を発見することができるようになると思います。
そういった新感覚が3,000円ほどのイヤホンで体感できるのですから、費用対効果は高くコストパフォーマンスは抜群です。僕自身はTUNE205BTを選んで良かったと思ってますし満足しています。