PlayStation Plusの会員向けに2018年11月分のコンテンツとして配信された、PlayStation 4ソフト「BEYOND: Two Souls」(ビヨンド ツーソウルズ)をプレイしました。
本作は「HEAVY RAIN(ヘビーレイン) -心の軋むとき-」と同じ、フランスはパリのゲーム会社「クアンティック・ドリーム」が開発しており、オリジナルとなるPlayStation 3版が2013年に発売されていました。今回プレイしたPlayStation 4版は、オリジナルから映像表現が強化されたほか、システム面に手が施されたリマスター版となります。
HEAVY RAINもPlayStation Plusで提供されたときにプレイしていて、実のところ最初は全く期待していなかったのですが、大切な人を助けたい一心で辛い試練にも勇敢に立ち向かう主人公に、プレイヤーまでもが心揺さぶられてしまう見事な作品でした。海外のゲームにはあまり馴染みがなかったので、まるで1本の映画を観ているかのようなストーリー体験がとても新鮮に感じられたものです。
BEYONDをプレイする前に最初に概要だけ軽く読んでおいたのですが、HEAVY RAINと同じように、これまた主人公には様々な辛い運命が降りかかり、僕もまたゲームに夢中になっちゃうんだろうなぁと、そう感じせざるを得ないものがありました。
いざプレイしてみると、徹底的に追求されたリアリティと深い人間模様の描写はまるでドラマを観ているかのよう。それもそのはずで、下記に添付したTwitterにも紹介されていますが、ゲームとして初めて東京国際映画祭に正式出品していたそうです。
ゲーム的な要素では、主人公と繋がる霊体を操作するという斬新なゲーム体験に感動!その没入度は”超”が付く程に高く、久しぶりに我を忘れてゲームを楽しめた感じです(笑)。
とりあえずゲームを1周クリアしましたので、プレイ中に印象深かった点を感想(評価)として簡単にまとめておきたいと思います。なお、ネタバレ要素を含んでいるので未プレイの方はご注意下さい。
「BEYOND: Two souls」はどんなゲーム?
『BEYOND: Two Souls』ゲーム史上初、東京国際映画祭正式出品決定! これまでに無い新たな感情体験、10月17日(木)登場! http://t.co/HmmuQT2Xls #PS3 pic.twitter.com/YK7qbWPgdq
— プレイステーション公式 (@PlayStation_jp) 2013年9月20日
生まれながらにして自身の体に「エイデン」という霊体がリンクした、「ジョディ・ホームズ」という少女が主人公の物語です。
ゲームジャンルは、アクション要素を含むシネマティックアドベンチャーと言うべきでしょうか。映画のようなカットシーンを眺めつつ、ときに表示される画面の指示通りにコントローラーを操作するだけでゲームは進行していきます。また戦闘や逃亡などの躍動感のあるシーンではQTEでの操作が用意されていました。
ストーリーは、特殊な能力を持つことから幼い頃から基地に収容されてしまい、さらにはCIAに強制的に入隊させられてしまったジョディの、子供から大人になるにかけてに起こった、いくつかの悲壮なエピソードを追体験していきます。
感想
グラフィックが綺麗
HEAVY RAINと同様にPlayStation 3からリマスターされた本作ですが、HEAVY RAIN以上にグラフィックに磨きがかかっているように感じられました。
ゲームプレイ中に、「あれ?これなんかグラフィックがすごい綺麗じゃない?本当にオリジナルがPlayStation 3なの!?」と唸ってしまうようなシーンもありました。
ゲームの世界にすんなりと入っていける
新しいゲームをプレイするにあたって、そのゲームの操作方法を覚える必要がありますが、BEYONDではチュートリアル的要素を含んだ最初のチャプターで、時折画面に表示される指示通りにコントローラーを操作するだけで、このゲームでプレイヤーが出来ることを覚えることができます。
ゴテゴテのチュートリアルはなく、「操作方法を覚えるのが精一杯で話の展開が頭に入ってこない」なんてことはないので、すんなりとゲームの世界に入り込めるのは好印象です。
ジョディの能力に驚いた
ゲーム開始早々に驚いたのが、エイデンという霊体を操作できる斬新なゲーム体験でした。ジョディの特殊能力を研究するために、壁で隔てられたもうひとつの部屋の様子を透視する実験をさせられるのですが、どうやって透視するのかと思ったらジョディからエイデンの視点に切り替わり、プレイヤーはあたかも霊体になったかのように空中をふわふわと移動できるだけでなく、壁をすり抜けて隣の部屋の様子を覗くことができるんです。
さらにはポルターガイストまがいに物を動かしたり、人間に危害を加えたり憑依した人物を操作できたりと、これまで沢山のゲームをやってきましたが、主人公とリンクした霊体を操作できるというアイディアは斬新に感じられました。
辛いことばかりの日常
ゲームで体験するエピソードのどれもが、辛く悲しいエピソードばかり。基地での監視カメラに囲まれた生活、強制的に入隊させられたCIAで過ごす過酷な3年間、潜入した戦地で任務の内容を偽られたり、CIAからの逃亡、ホームレス生活など、プレイしている自分もゲームにのめり込んでいるんだけどシリアスな場面が多いこともあって、ゲームをプレイしていて思わず笑みが溢れてしまうようなシーンは少なかったと思います。
だからこそジョディがごく普通の生活をする年頃の女の子っぽいシーンを見ると、そのギャップになんだか萌えてしまうこともありましたね(笑)
SF要素が交わる生と死の間でジョディが選ぶ未来とは?
ゲームを進めていく過程で今後のストーリーがどういった展開を見せていくのか、その先がまだ見通せなかった頃に、ジョディを本当の子供のように可愛がっていたネイサンという研究者の妻と娘が、交通事故に遭遇して2人とも亡くなってしまうエピソードがありました。
エイデンの力でその魂をジョディに憑依させて、まるでイタコさんのように亡き人の言葉をジョディが代弁するシーンがあるのですが、妻と娘にもう一度会いたいと涙ながらに縋るネイサンがとても印象的で、もしかすると気が狂って死者の魂と会えるような装置でも作り出すんじゃないかと勘ぐってしまうほどでした。
後々、ネイサンが霊界(インフラワールド)と通じる扉を人工的に生み出す装置を研究していることを知ったのですが、やはりというか僕が予想した通りの展開になってしまって、現実離れした話の展開にちょっとしたビックリもありました。結果的にこの出来事がエイデンが何者なのかという真実と、ジョディの未来を左右することに繋がっていきます。
「BEYOND: Two souls」をプレイするには
PlayStation 4版はPlayStation Storeでダウンロード専売となります。パッケージ版はありません。
またクラウドゲームサービスのPlayStation Nowにも対応しているので、Windows PCからでもプレイすることができます。
世代的にはひとつ前となりますが、PlayStation 3版はパッケージとダウンロードが用意されています。ちなみにPlayStation 3版のみ体験版が用意されているようです。
まとめ
振り返ってみると、何事にも果敢に行動するジョディの勇気と力強さには終始圧倒されっぱなしでした。プレイ中は気付かなかったですが、この点はHEAVY RAINの主人公と共通している部分ですね。
とりあえず複数のエンディングがあるとされる中で、ハッピーエンドっぽい展開に話を進めてみました。プレイし終えてみるとクリア後の達成感のみならず、ロールプレイングゲームで長き旅路の果てに迎えるエンディングだったり、感動できる映画を鑑賞した後に心に響いたりする、切なくも何処か心地よい余韻に浸ることができました。若くして波乱万丈な経験をした分、ジョディには幸せになってもらいたいと願わずにはいられません。
見た目が洋ゲーなので、敬遠してしまって手が出ない方もいるかと思います。PlayStation Plusで提供されなかったら完全にスルーしていました。操作性は複雑ではないので、ライトゲーマーにもおすすめしたいゲームです。