来たる2025年10月にWindows 10のサポート終了が控えていますが、それに備えて新しいPCを自作で新調しました。個人的に初めての自作となりましたが、苦戦したシーンはあったものの無事にWindows 11のデスクトップ画面を拝むことができました。

自作PCで使うパーツを調達するときにひとつの閃きがありました。インターネットに接続する無線ルーターが自室から離れた場所にあるためPCにWi-Fiの機能が必要になるのですが、今回使用するマザーボードにはその機能が付いていません。
これはUSB接続のWI-Fiアダプタで良いものがないかネットショップの在庫を眺めていたときの出来事になります。Wi-FiとBluetoothのUSBアダプタって同じ形状のものが多いんですよね。それに気付いたときに、このふたつの機能を一台に集約したアダプタがないのかなと閃きました。
本来であればWi-FiアダプタとBluetoothアダプタでふたつのUSBポートが消費されてしまうところを、こういったアダプタがあればポートの消費がひとつで抑えられるのでとても便利です。
探してみると、TP-Linkの「Archer T2UB Nano」という製品を発見。正直言うと、自宅に設置している無線ルーターがバッファローなので子機も同一メーカーで合わせたかったというのが本音ですが、僕の御眼鏡に叶うものはTP-Linkのこの製品しか見当たらず。とは言え、ふたつの機能が集約されているわりに価格も安価なことから試しに購入してみることにしました。
TP-Link「Archer T2UB Nano」の紹介
こちらが今回購入した、TP-LinkのWi-Fi&Bluetooth対応USBアダプタ「Archer T2UB Nano」になります。
価格ですがネットショップだと2,000円前後で購入できる店舗が多いようです。
特徴を挙げてみると、WI-Fiでは2.4Ghz(11n/g/b)&5Ghz(11ac/n/a)のデュアルバンドに対応。2.4Ghzでは200Mbps、5Ghzでは433Mbps(いずれも規格値)といった速度に対応しています。この製品ではこの仕様を「AC600」規格と呼ぶそうです。
Wi-Fiの通信速度は決して速くはありません。しかしネット閲覧や動画の視聴程度であれば全く問題はありません。性能は二の次でWi-FiとBluetoothが一台のアダプタに集約されていることにメリットを感じる方向けの製品です。大容量のデータを短時間でダウンロードしたい方にはそれに特化した別の製品がいいと思います。
Bluetoothのバージョンは4.2に対応しています。バージョン4.2は2014年に公開されたものなので少々古めのようです。一応デバイスマネージャーから確認してみましたがLMPの数字は”8″となっていることから、やはりバージョンは4.2で間違いないようです。
暗号化は最新のセキュリティ規格「WPA3」に対応。また「256-QAM」という規格にも対応しており、これは初耳だったので調べてみると従来の「64QAM」と比べて一度に運べるデータ量が増えることで通信速度が向上する技術とのこと。最後にOSはWindows 11/10に対応しています。
こちらが実機になります。サイズが極めて小さくUSBポートに差し込んでも目立ちにくいため、邪魔にならずPCのデザインにも自然と溶け込むことができます。
また、アンテナ部分にTP-Linkのロゴが刻印されているので、見ただけでそれが何のアダプタなのかがひと目でで分かるようになっています。僕が所有する他の製品だとロゴが刻印されていないものもあるので地味にありがたいです。
その他の付属品として、ドライバをインストールするためのディスク(CD)が付属しています。
Archer T2UB NanoをPCにインストールする方法ですが、USBポートに差し込むだけで自動的に認識される(Windows標準のドライバで認識される)ため、このディスクを使わなくても問題ありません。またドライバはTP-Linkの公式サイトでもダウンロードすることができるようです。
それにしても令和の時代に8cmサイズのディスクって珍しいですね。久しぶりに見ました。昔は音楽のシングルCDでよく使われていましたね…。今のPCだとディスクドライブを搭載していない機種も多いのではないでしょうか。僕が今回組み立てた自作PCにもディスクドライブは付けていませんね。
感想:一台二役を同時にこなす便利なUSBアダプタ
TP-LinkのArcher T2UB Nanoを使ってみましたので感想を書いていきます。
Wi-Fiの接続についてはWindows 11起動時に電波を掴めていないときがありました(特に5GHz帯が掴みにくい)。これは親機と子機とでメーカーが異なることでの相性問題が原因なのか、それもとも極小サイズゆえにアンテナに原因があるのかは不明です。ただ電波が掴めなくなるのは僕が所有する他のPCでも偶に起こることなので、ちゃんとした原因は不明です。
通信速度についてですが、我が家のネット環境は光回線で1Gbpsを契約しているものの当初は100Mbpsにも届かず。対策としてLANケーブル(カテゴリ)を変えてみた結果400Mbpsを記録したことがありましたが、最近になって計測してみるとなぜか最初の頃に逆戻りしたかのように複数のデバイスで計測してみても90Mbps程度しか出ていません。
それでもWEBサイトを閲覧したりYouTubeなどで動画の視聴をするくらいなら何ら問題はありません。十分な通信速度が出ていればこのアダプタを使ってもこういった用途であれば問題はないでしょう。

気になる点があるとしたら通信ランプの点滅について。通信が行われるとアダプタの上部に埋め込まれているランプが断続的に点滅します。そのためパソコンと向かい合ったときに自分の視界よりも下にアダプタがあると、ランプの点滅が気になってしまうかもしれません。
最後にこのアダプタについてですが、「Wi-FiとBluetoothの通信を同時に使用することができるの?」と疑問を抱く方もいるかも知れません。片方の機能を使用中はもう片方の機能が使えないなんてことも考えられるからです。
実は僕はこの疑問を抱いていました。試しにWi-Fiでネットに繋いでYouTubeを再生しつつ、その音声をサウンドバーから鳴らしてみようとBluetoothで接続してみたところ、動画を再生しながらサウンドバーから音声を鳴らすことができました。
まさに一台二役。こんなに小さなアダプタなのにWi-FiとBluetoothともに正常な通信ができているので僕としては十分に満足できました。TP-LinkのArcher T2UB Nanoは、Wi-FiとBluetoothの二役を1台で同時にこなす便利なUSBアダプタです。