自宅にいるときはパソコンもしくはゲームのどちらかに手を出していることがほとんどですが、自宅にいながら新しい趣味を持てないかと考えてみたところ、プラモデルが自分にあっているんじゃないかと閃きました。
子供の頃は「ミニ四駆」だったり「元祖SDガンダム」のプラモデルが大好きで、両親などにしょっちゅう買ってもらっては組み立てていましたが、ある時を境に急に興味が薄れたのか、それ以降今日に至るまでプラモデルを買うことはなくなりました。一応2007年頃に発売されたタミヤの電動RCカー「アバンテ MK.II」を買ってはいますが、もう20年以上はご無沙汰になっていたんですよね。
模型サイトを閲覧していると子供の頃にあった人気キットが現代に続々復刻されていて、「子供の頃これが欲しかったんだよなぁ~」と、当時抱いた憧れから浪漫を駆り立てられてテンションが上がります!復刻キットが多い理由はやはり子供の頃はお財布的な問題で手が届かなかったキットが、大人になって金銭的にも余裕が出たり、懐かしさに惹かれて購入する人が増えていることが理由にあるのでしょうか。
そして色々と物色した結果、今回は青島文化教材社(アオシマ)の「ニッサン S30 フェアレディ280Z Special ’75」に決めました。このキットに決めた理由はパッケージイラストがカッコいいことはもちろん、車の知識はありませんが旧車のフェアレディZのフォルムに魅力を感じることやレーシングカーとしての風格、新製品でこれから発売される商品だったからです。
正直言うと模型メーカーなんて、星のマークでお馴染みのタミヤとか、ガンプラのバンダイくらいしか知らなかったので、アオシマというメーカーは今回はじめて知りました。またこれは知ったばかりなのですが、いずれも静岡県に拠点を構える企業みたいですね。
購入後からしばらく時間がかかってしまいましたが、ようやく休日の空き時間を利用して組み立てに挑戦してみることにしました。ほぼ子供の頃以来なのでプラモデルの組み立て技術は初心者ですが、果たして完成まで辿り着くがことができるのでしょうか!?本キットを評価(レビュー)しつつ組み立ての過程を書いていきたいと思います。
パッケージや中身を見てみよう
パッケージ
こちらが今回購入したアオシマのプラモデル「ニッサン S30 フェアレディ280Z Special ’75」になります。価格は2,600円(税別)。ザ・モデルカーというアオシマを代表するプラモデルシリーズになるそうです。
プラモデルのパッケージに描かれたイラストは子供の頃に見慣れていたせいか、不思議と童心を思い出せてくれます。
パーツ類
箱を開封すると無数のプラスチックパーツと対面。テンションが上がると同時に、これから組むぞ!という高ぶる気持ちを掻き立てられます。
個人的なことですが、各パーツと繋がっているプラスチックの枠のことを「ランナー」ということを初めて知りました。
説明書
説明書についてもひとつひとつのパーツが精妙に描かれているので、指示に従えば問題なく組み立てることができそうです。それにしても説明書を眺めているだけでも楽しいものですね。
ちなみに組み立ての際に必要なアイテムとして、部品を取り外すニッパー、部品同士をくっつける接着剤、デカールシールを切り取るカッターまたはハサミ、色を塗る場合は塗料が必要となります。
組み立て
シャーシにタイヤを付けて少しずつ車の姿に
使用するパーツを間違えないように、説明書をよく見ながらランナーからパーツを取り外して組み立てていきます。まだ序盤ですがこうやって一歩ずつ確実に車の姿に近づけていけることにプラモデルならではの面白さを感じます。
シャーシにタイヤを取り付けた瞬間はテンション上がりました(笑)。ちなみに最初は着色せずに組み立てようとしていたため、この時点ではホイールの色が白のままになっています。
本キットが復刻版であることを初めて知る
シャーシの裏をよく見ると、電池を格納するスペースがあったり、電源スイッチの跡らしきものが見受けられます。まるでミニ四駆のようですが、今回購入したアオシマの「ニッサン S30 フェアレディ280Z Special ’75」にはそういった走行機能はもちろんありません。
調べてみるとこのキットはグンゼ産業という会社が昭和50年代に発売した「DUTSUN280Z Special」をリバイバルした復刻版で、1975年に北米モデルに追加されたL28エンジン搭載のフェアレディ280Zをベースに、フルワークスタイプのオーバーフェンダーや前後スパイラーで武装したレーシング仕様を再現しているそうです。過去に発売したプラモデルの金型が使われているようで、その名残がいまに残されているようなのでした。
そういったこともあってシャーシの裏側は実車に忠実な造りとはとても言えず、言ってしまえばオモチャっぽいです。ちょっと気になって他の同価格他のキットを調べてみたのですが、裏側も内装も多くのパーツが使われていて実車に近いキットが多いようでした。
人生初の筆塗装に挑戦
最初は塗装せずに素組みでもいいかなと思っていたのですが、やはり見た目の完成度を高めるために塗装に挑戦してみることにしました。
初心者向けの塗装セット一式を探してみると、GSIクレオスの「水性ホビーカラー スターターセット」を発見。スプレーの方が塗装は良さげな気がしますが、保管場所を取りそうなのでとりあえずは筆塗装にしてみました。ちなみにラジコンを組み立てたときにスプレー塗装をしたことはありますが、筆を使うのは初めてになります。
まだ筆塗装に不慣れのもありますが、気になる箇所があると修正するためについ重ね塗りしてしまい、見た目にムラができてしました。またマスキングテープを使わなかったので塗装の縁が歪んでしまい綺麗な直線曲線に仕上がらなかったことや、手で持ちながら塗装したので指紋が浮かんでしまったりと散々でした。ここは反省点です。
「DUNLOP」のロゴは必要なかった…(笑)
タイヤには「DUNLOP」のロゴがあるのでつい塗装してしまったのですが、パッケージイラストを見ると「GOODYEAR」のロゴなんですよね。どうやら反対側にGOODYEARのデカールシールを貼るのが正解だったようです。
でもDUNLOPの塗装が案外上手くできたのは自分でも驚きで、タイヤのロゴの部分は凹凸になっているのですが、さっと筆を滑らせるだけで文字の出っ張った箇所のみに色が付着できたので、こんなことができるんだと勉強になりました。
シャーシの組み立てに四苦八苦…
やっとの思いでシャーシが完成しました。パーツが少ないので組み立てるだけならすぐに終わるのですが、説明書通りに組み立てても上手く行かない箇所があり四苦八苦してしまいました。
まずホイールが先に掲載した画像と違い黒になっていますが、これは塗装したのではなくもう1種類同梱されているホイールになります。(何故かホイールが2種同梱されていてこっちは黒色)。説明書ではこのホイールは使用しないパーツと紹介されているのですが、時間が経ってしまったのであまり詳細には覚えてないのですが、指示通りのホイールだとサイズが合わなくて上手く行かず、このホイールを使うと何故かしっくりできたというのが理由だったかな。
他にもシャフトのサイズがやや短く感じたりと、やはり古いキットの金型を使っていることが理由にあるのか、もしくはメーカーの調整不足、不良品を掴まされた、自分の理解不足など上手く行かなかった理由は考えられそうです。
シャーシの組み立てで躓いたので想像以上に時間が掛かってしまいましたが、とりあえずなんとか形になったのでホッとしました(笑)
デカール貼り
塗装したボディにデカールを貼っていきます。シールと違って水に浸す必要があり、破けやすいので扱いが難しいのですが、シール以上にボディに馴染むためボディとの一体感がすごい!貼った姿を眺めているとニヤニヤしてしまいます(笑)
完成品
粗が目立つけどようやく完成
デカールを貼り終えたあとにヘッドライトや車内ガラス、サイドミラーなどを取り付けて、最後にシャーシにはめ込んでついに「ニッサン S30 フェアレディ280Z Special ’75」が完成!デカールのおかげでレーシングカーらしい堂々とした雰囲気が出ていると思います。
途中、組み立てが上手く行かなかったり、部品が折れてしまったり、塗装で重ね塗りしたことでムラができてしまったり、デカールが破けてしまったりと散々だったので粗が目立ちますが、ようやく形になったので感慨もひとしお…。
ハンドル周りやシート周りなど車内の塗装はやらなかったのでもっと手を加えたい思いもあるのですが、車内は目立たないし、こだわり始めるときりがないので今回はこれでゴールということにしました。フェンダーのロゴは「GOODYEAR」だけど、タイヤのロゴは「DUNLOP」なのはご愛嬌。履き替えたいのですが部品を外すのに力が必要でパーツが折れそうなので諦めました(笑)
フロント周り
フェアレディ 280Zは今の車ではあまり見かけないロングノーズなボンネットと流れるような美しい曲線、2つの個性的なヘッドライトが印象的な車だと思います。
日本でこの車はフェアレディ(訳すと”貴婦人”)と呼ばれていますが、前衛的でありながらどこか女性らしさも感じるデザインから、フェアレディの名前がピッタリ相応しいと思います。ちなみに海外だと「DATSUN」という名称で呼ぶそうです。
フロント周りのデカールは上手く貼れたと思いますが、失敗としてムラのある塗装もそうですが、ヘッドライト内の黒い塗装がややはみ出してしまったことが挙げられます。
ちなみに説明書ではワイパーは使用しないパーツとなっているのですが、ワイパーを付けたほうがカッコよく見えそうだったので取り付けてみました。このキットには何故か使用しないパーツがいくつか同梱されているのですが、ワイパーもこのキットに不適合な形?をしているようで、ボディにワイパーを接着しようとすると形が合わないので、工夫してフロントガラスに接着してみました。
テール周り
説明書では1本出しのマフラーを使うように指示があったのですが、テールのデザイン的に2本出しの方がマッチすると考えたので今回は2本出しを選びました。タバコを咥えたイカしたオジサン的な見た目が好きなのですが、最後の最後でリアガラスのパーツを割ってしまったことがとても悔やまれます…。
それとボディの曲線に沿ってデカールを貼るのが思いの外難しく、シワができてしまいました。
シャーシの裏側
こちらはシャーシの裏側になります。特筆すべきことはなく、当時の金型が使われているためかとてもチープです。せめてマフラーの配管が設置されていると臨場感もあったのでしょうが、裏返すことは少ないので気にしないことにします。
感想
今回は久しぶりにプラモデルを組み立ててみました。あまりにも時間がかかり過ぎたので最後まで組み立てられるか不安でしたが、なんとか形になって良かったと思います。
このキットを組み立てている最中に色々なことを考えました。なにも説明書の指示通りに進めていくのが正解というわけはなく、そこに自分のアイデアを組み込んでもいいし、失敗してもそこからどうリカバリしていくのかを考えることもプラモデルならではの面白さだと思いました。そう、プラモデルは自由なんです(笑)。そういった考えを得たことが自分にとっての大きな収穫になったし、この1回で多くの経験値を得られたと感じています。
今回は組み立てに時間が掛かってしまいましたが、アオシマの「ニッサン S30 フェアレディ280Z Special ’75」はカッコいいレーシングカーを組み立てたい方はもちろん、パーツが少ないのでプラモデル初心者にもお勧めできるキットです。