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PS4/Vita「ルートレター」の感想。全力男マックスが島根を疾走する旅情ミステリーADV

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角川ゲームスより好評発売中の「√Letter ルートレター」をプレイした感想を書いてみたいと思います。物語の真相に関わるようなネタバレはありません。

本作のジャンルはテキストを読みながらストーリーを進めていくアドベンチャーゲームです。僕は普段から本を読む習慣があまりないので、これまでだったら絶対に手を出さないジャンルでしたが、偶々見た本作のプロモーションビデオに見事に惹かれてしまったことが購入するきっかけへと繋がりました。

そのプロモーションビデオは、ゲームに登場するヒロインのひとりに声をあてている声優の日高のり子さんがナレーションを務めるもので、絵が綺麗だったり、登場人物の女の子が可愛かったり、そしてなによりBGMも含めて雰囲気がすごく良かったので、これは絶対に遊んでみたいと思ったのでした。

実はルートレターを初めてプレイしたのは2016年のことで、この記事を書いている2018年現在だと今更感はあるのですが、本作は僕にアドベンチャーゲームの面白さを教えてくれた印象深いゲームであり、またそのときプレイしたのはPlayStation 4版で、ゲームをすべて攻略してプラチナトロフィーをゲットしたので内容は把握しているのですが、最近になってPlayStation Vita版でルートレターの世界を再び追体験し始めたので、この機会にゲームの感想(評価)を書いてみたいと思い立ちました。

PlayStation Storeでセールをやっていて、めちゃくちゃ安かったのでつい買ってしまったんですね(笑

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√Letter ルートレターってどんなゲーム?

出典 √Letter ルートレター(PlayStation)

ルートレターは、主人公(プレイヤー)が15年前の高校時代に文通していたペンフレンド、「文野亜弥」から届いた消印のない手紙から物語が始まります。

手紙に書かれてあった「私は人を殺してしまいました。罪を償わなければなりません。~」といった不穏な内容の真相を探るべく、ペンフレンドが住んでいる島根県の松江市を舞台に、ペンフレンドと仲の良かった7人のクラスメイトの証言を得ながらペンフレンドの居場所と手紙の真相を解明する、旅情要素ありのミステリーアドベンチャーゲームです。

ゲームのインターフェース(操作性)は昔ながらのオーソドックスなタイプといった感じで、テキストを読みならが背景の気になる箇所を調べつつストーリーを進行させていきます。難しい操作は一切ありません。

ゲームの途中途中で、文野亜弥と交わした手紙のやり取り(質問の回答とこちらからの質問)を選択肢で選ぶ要素があり、その返信の内容によって文野亜弥の心理状態が変化することで、ゲームの結末(エンディング)がいくつかに分岐するようになっています。

また島根県松江市のPRを兼ねているようで、観光キャラクターの「しまねっこ」ほか、現地に実在するスポットや、実在する人物をモデルにしたキャラクターがゲームに登場。観光気分でゲームを楽しめたり、松江の七不思議といった現地に伝わる伝承が物語に絡んでくることもあるなど、ゲームをプレイするだけで松江のことをちょっとだけ詳しくなれます。

本作に登場するヒロインたちのデザインは、ニンテンドーDSで一世を風靡した恋愛シミュレーションゲーム「ラブプラス」でキャラクターデザインを務めた、箕星太朗さんが担当しています。

ゲームのパッケージには可愛い女の子が描かれているので、何も知らない人からすると恋愛シミュレーションゲームと勘違いする人もいるかもしれませんが、残念ながらそういった要素は含まれていません。その辺は期待しないようにしましょう。

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面白かったところ

出典 角川ゲームス【公式】‏ @Kadokawa_Games

ゲーム序盤から惹き込まれるストーリー

主人公が松江市に着くと、文通相手の文野亜弥が25年ほど前に亡くなっていることを知らされます。15年前に文通を交わしていたのにこれはおかしいですよね。でももし本当だとしたら文通していた相手は誰なのか。まさか幽霊!?ゲーム開始早々にルートレターがミステリーゲームであることを思い知らされます。

主人公は真相を探るために文野亜弥のクラスメイトの居場所を探り、そして尋ねますが、皆クラスメイトであることを否定したり、なにか話したくないことがあるのか、頑なに口を閉ざすばかりで文野亜弥が何者なのかを教えてくれません。

ルートレターではゲーム序盤からこういった体験が用意されていますが、気が付くとコントローラーを握っている僕自身も文野亜弥の正体を知りたい一心でプレイしていました。好きになった相手のことを知りたくなる気持ち…。主人公もそして僕自身も、まだ見ぬペンフレンドに恋心を抱いていたんだと思います。

マックス(主人公)の性格

ルートレターの主人公の名前は「貴之」(任意に変更可)と言います。あだ名はマックスです。

年齢的にも30歳を過ぎているにも関わらず、初対面の人に対して平気でタメ口を使ったり、人のカツラをイジったり、人のお店にジャムをぶち撒けたりする行動は前座に過ぎず、目的のためなら平気で嘘をつき、クラスメイトの精神がズタボロになるまで追い詰めるなど、プレイヤーが唖然とする行動を平気でする破天荒な一面を持つ人物です

実はこの主人公の性格の酷さが本作の評価を著しく下げる要因になっているようで、他の方の感想を伺ってみると、皆一様に主人公の性格の酷さを指摘していることが多いです。

僕も初めてプレイしたときは主人公の言動には驚きましたが、改めて振り返ってみると、主人公がこういった言動を取るからこそ、ルートレターを面白おかしくプレイできた部分もあると感じています。他の方のプレイ動画を観ていると、主人公の言動に驚きつつも楽しくプレイしている人も多いんですよね。一見シリアスそうなゲームですが、色々とツッコミ要素も多かったりします。

話したくない理由があるにせよ、クラスメイトはなかなか口を開いてくれないし、主人公がムキになってしまう気持ちだけは理解できなくはないかも?そもそもルートレターは、主人公がアクティブだからこそ成立できる物語だと思うのです。主人公のマックスは情報欲しさに松江市を縦横無尽に疾走します。もしその反対にインアクティブな人物だったら、クラスメイトから情報を聞き出せずに島根を後にしていたかもしれません(笑

豪華声優陣

ルートレターに登場する3人のヒロインの声優に、日高のり子さん、皆口裕子さん、井上喜久子さんが出演しています。声優に詳しくな僕でも知っている方々です。

また映画「スター・ウォーズ」で、C-3POの声を担当した岩崎ひろしさんがペンフレンドのクラスメイト役で出演しているなど、ベテラン揃いの豪華声優陣を起用しています。

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気になるところ

出典 安田善巳/ゴッドウォーズ‏ @yasudaD5

サウンド品質の違い

PlayStation 4版と比べるとPlayStation Vita版は、音声、BGM、SEなどのサウンド類の品質に劣化があるように感じられました。

スピーカーの違いも影響しているかもしれませんが、PlayStation Vita版のサウンドは若干こもったように聞こえます。

両機種ともゲーム内容はまったく同じですが、PlayStation 4版は約4GB、PlayStation Vita版は約1.3GBと容量に3倍近くの差があるようです。

PlayStation Vitaのパッケージ版で使われるゲームカードは容量を大きくするとそれだけコストが掛かりますし、ダウンロード版にしてもメモリーカードの容量に悩まされている人も多いでしょうから、メーカーとしてもデータの圧縮は避けることができず、結果的にサウンドが劣化してしまったのかもしれません。

処理落ち

ルートレターには「追求パート」と呼ばれるモードがあります。クラスメイトと対峙して真相を追求するタイミングに始まるもので、証言や証拠品を使ったり揺さぶりをかけながら本音を聞き出していきます。多くの人に分かりやすいゲームを例に挙げてみると、「逆転裁判」の雰囲気に近いかもしれません。

この追求パートのときに、お互いの感情がむき出しになり、それに釣られるようにグラフィックの演出も躍動感のあるものになるのですが、PlayStation Vita版だとこのときの演出に処理落ちが発生してしまうことがありました。処理落ちが発生してもゲームの進行に支障はありませんが、PlayStation 4版をプレイした後だとどうも気になってしまいました。

また、この追求パートに限らず、PlayStation 4版と比べるとPlayStation Vita版は全体的に動作の重たさを感じたり、ロード時間がちょっとだけ長かったりなど、両機種でプレイしてみてハードの性能差が表れている部分を感じ取ることができました。

あと僕の環境だけかもしれないですが、PlayStation Vita版だと回想ムービーの最中にノイズが入ったり、動きが一瞬止まるなどの処理落ちが原因?とも思われる不具合が偶に起こることを確認しています。

モブキャラの使い回し

偶々その場に居合わせた通行人のグラフィックに、使い回しがみられるところがちょっと気になりました。

「あれ?以前別の場所で会ったよね?」と思うことが何度かあります(笑

その他、ゲーム内容において特筆すべき短所はありません。

ルートレターをプレイするには

僕がプレイしたPlayStation 4版とPlayStation Vita版(いずれもパッケージとダウンロードあり)のほか、PlayStation Now版、Windows版(Steam/DMM)、スマートフォンアプリ版(iOS/Android)、Yahoo!ゲーム(ブラウザ)版といった様々なプラットホームでプレイすることができます。※PlayStation Vita版はVita TVに対応しています。

PlayStation 4版のみ体験版が配信されているので、気になる方はPlayStation Storeからダウンロードしてみて下さい。体験版は第2章まで遊ぶことがでます。そこそこボリュームがあるので2時間くらいは遊べると思います。なお、体験版から製品版への引き継ぎはできません。

プラットホームによる違いは?

ルートレターの公式サイトを覗いてみても、プラットホームによるゲーム内容の違いについて書かれてないため、ゲームの内容に差異はないと思われます。

ただ僕が把握している限りだと、トゥルーエンディングを迎えた際に、PlayStation 4版とPlayStation Vita版は、歌い手の「ろん」さんが歌う本作の主題歌で、竹内まりやさんの「純愛ラプソディ」が流れるようになっているのですが、権利の関係なのか他機種版は主題歌が流れないことを他の方のプレイ動画(多分、Steam版)を観て確認しています。

一応、ろんさんのYouTubeチャンネルに純愛ラプソディのミュージックビデオが公開されているので、曲自体はいつでも聞けるようになっていますが、トゥルーエンディングを見た後に流れる純愛ラプソディを聞くと感動もひとしおに…。より充実した達成感と余韻に浸ることができると思います。

感想(評価)まとめ

以上、ルートレターをプレイしてみた感想(評価)でした。

絵は綺麗だし、BGMも雰囲気がいいし、難しい操作も一切なく、ミステリーゲームでありながら怖いシーンはあまりないので、ノベルゲームに興味がある方ない方、両方に手に取ってもらいたいおすすめのゲームです。

また、本作の舞台となっている島根県といえば「縁結び」でも有名ですが、八重垣神社の恋占いや、京店商店街に2つ存在する「ハートの石畳」、カラコロ工房の「ピンクの幸運ポスト」、玉作湯神社の(叶い石)といった縁結びスポットをストーリーに織り交ぜて紹介したり、雨が縁を運ぶ「縁雫(えにしずく)」という言葉がゲームに登場するなど、恋愛コンテンツが好きな女性の方にもおすすめできると思います。トゥルーエンディングを迎えたら、現地に赴いて聖地巡礼をするのもきっと楽しいでしょう。

プレイ時間は10時間程度で最初のエンディングにたどり着けるボリュームです。エンディングは複数用意されているのですべてを見る場合は周回プレイが必要ですが、2周目以降はスキップ機能が使えるようになるので、スキップを使えば残りのエンディングを見ることが容易くなります。

ちなみに、ルートレターの次回作が今年中に発表される予定であることを、本作のプロデューサーを務める安田善巳さんが自身のTwitterアカウントで明らかにしています(2018年の抱負だったかな?)。また別の媒体のインタビュー記事からは、本作に登場した3人のヒロインが、ミステリー女優として次回作に引き続き登場する可能性があることを言及しています。

そう言えば、ルートレターが実写映画化されることも発表されていました。記事執筆時で内容は不明ですが、マックスの破天荒ぶりが実写でどの程度再現されるのか期待したいですね(笑

次回作に実写映画、僕自身どちらも非常に楽しみにしています。