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Celeron N3350搭載PCの使い勝手。処理は遅いけど用途を絞れば十分な性能

FRONTIER(フロンティア)が発売した2in1タイプのWindows 10 Pro搭載パソコン「FRT220P」をセカンドパソコンの位置付けで使っています。一見するとただのノートパソコンですが、脱着式のディスプレイをキーボードから取り外すことでタブレットとしても使用することができます。

CPUにデュアルコアのCeleron N3350を搭載。Celeronは最先端を征くintel Coreや上位のPentiumと比べて処理能力が低く、それ故にWindowsの動作が遅くなることがあるため、ネガティブなイメージを抱く人も多いかもしれません。もちろん僕はそれを承知でこのパソコンを買いました。買った理由は安価なタブレットパソコンを2台目に欲しかったこと。普段使いが目的であり、動画や画像の編集といったクリエイティブな作業や流行りの3Dポリゴンのゲームなど、負荷の高い処理を行うつもりはないからです。

2016年にリリースされたCeleron N3350ですが、2022年現在でもChromebookを含めて搭載機種が少なからず出回っているようで、そのサイクルの長さから中古市場において目にする機会が多いことが予想され、安価な価格からCeleron N3350搭載パソコンを購入候補に考える方も多いのではと予想できます。

実際のところ性能の低さからできることがある程度限られているので、FRT220PはWEBサイトの閲覧、動画の視聴、カジュアルなゲームなどの普段使い程度の動作しかさせていないのですが、これらの用途がCPUに与える負荷が低いとはいえ、その動作やレスポンスがどうなのか、本当に動作は遅いのか疑問を抱く方も多いと思われます。

その使い勝手についてテキストで表現するのはとても難しいのですが、当エントリーでは僕個人がCeleron N3350搭載パソコンを使ってみて感じたこと、良いところや悪いところも含めてまとめていきたいと思います。

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Celeron N3350搭載PCの使い勝手

FRONTER FRT220P

FRT220Pのスペック

まず始めにFRT220Pのスペックを書いておきます。CPUはCeleron N3350、メモリーは4GB、ストレージ(eMMC)は64GB、OSはWindows 10 Proといった構成になっています。Celeron N3350搭載パソコンの多くは、このスペックと同等ではないかと思われます。

社外製のセキュリティソフトなど動作が重くなりそうなアプリは常駐させていません。インターネットの接続速度は下りと上りでいずれも30~40Mbpsほどです。

起動時間は軽快

電源ボタンを押してからログイン画面が表示されるまでにかかる起動時間は比較的速い方で、電源を入れると約20秒後にはログイン画面が表示されます。これはストレージにデータの読み書きが低速なハードディスクが使われておらず、より高速なフラッシュメモリータイプのeMMCが使われているため、Windowsの起動準備が高速にできることが理由にあると思われます。

CPUにCore i7 4770、8GBメモリー、256GBのSSDを搭載したパソコンをメインに使っていますが、それと大差のない起動速度です。

WEBサイトの閲覧

ブラウザにはGoogle Chromeを使っています。テキストが主体の軽量なサイトであっても表示にもたつきはありますが、ストレスを感じるほどではありません。

ただし表示される画像が多かったりページあたりの容量が大きかったりすると、コンテンツの表示に少々待たされることが多くなるようです。

動画サイトの視聴

YouTubeのトップページにアクセスしたときに表示される多数のアイキャッチ(動画一覧)の表示にもたつきを感じますが、動画は再生が始まってしまえば快適そのもの。画質も1080pはもちろん1440pもコマ落ちすることはありません。2160pも再生できますが映像が一瞬だけ停止されてしまうことがあります。2880pはいくら待っても読み込みマークがクルクル回ったままで再生できませんでした。

貧力なイメージのあるCeleron N3350ですが、CPU内蔵の動画再生支援機能は優秀のようです。720p~1080pで再生できれば十分という方も多いでしょうから、YouTubeが目的の方も安心できると思います。

またニコニコ生放送ですが、こちらはYouTubeよりも動作が重たくなる印象です。アイキャッチの表示こそYouTubeと同じで多少のもたつきを感じる程度ですが、再生が始まっても広告やニコニコ独自のコメント機能の読み込みに時間がかかるようで、再生開始直後の30秒ほどはコマ落ちが多発してしまうようでした。しかし読み込みがすべて完了すれば再生は快適に行われるようです。

ちなみに僕はニコニコの一般会員なので広告をオフにすることができません。広告をオフにできるプレミアム会員であれば再生はより快適かもしれません。

Amazon Prime Videoもトップページのアイキャッチ画像の読み込みに少しばかりのもたつきがあるようですが、YouTube同様に再生が始まれば快適に視聴できます。画質設定も最高画質で問題ありませんでした。

カジュアルなゲームなら遊べる

冒頭でカジュアルなゲームをやっていると書きましたが、これはいわゆるギャルゲーのことです。今だとダウンロード版が手頃な価格で買えますし、紙芝居的なアドベンチャーゲームであれば負荷が低いのでCeleron N3350でも快適に動作できるのです。

ちなみに僕が主にプレイするのは2000年前後に発売された古めのギャルゲーです。当然Windows 95とかWindows XPに対応したタイトルがメインになるので、最新のWindows 10で動作するのか疑問を感じるかもしれません。

実際のところWindows側に互換機能があるのである程度のタイトルは問題なく動作できるようです。しかし僕の経験だと動作しても会話テキストの一部が文字化けしたりと、やはり何かしらの問題を抱えるタイトルもあるようです。

また最近流行りの美麗な3Dポリゴンを使ったゲームはまず動きません。ゲーム側のオプションで画質を下げれば動くタイトルもあるかもしれませんが、コマ送り状態でゲームどころではなくストレスにしかならないでしょう。僕と同じでカジュアルなゲームが目的であればいいかもしれませんが、それ以外でCeleron N3350搭載パソコンをゲーム目的で選ぶのは絶対にやめましょう。

Windows 11へのアップグレードは不可

Windows 11へのアップグレードの可否を判断できる「PC 正常性チェック」というアプリを使ってみたところ、どうやらCeleron N3350はサポートの対象外ということで、同CPUを搭載している場合はWindows 11へのアップグレードができないことが分かりました。複数のチェック項目のうち唯一CPUのみがアウトだったのが悔しいところです。

ちなみに次の世代のCeleron N4000シリーズからだと、Windows 11に対応しているようです。

ファンレスで動作音がしない

CPUの性能が低いということは、すなわち発熱が少ないということ。Celeron N3350をはじめ同クラスのCPUには冷却ファンが必要ないことが多いです。もちろんFRT220Pも冷却ファンは搭載されていません。

また最近はモーターが高速回転するハードディスクに変わって、フラッシュメモリーのeMMCやSSDをストレージに搭載するパソコンが増えてきたので、スマートフォンと同じように完全に無音で動作させることができます。

パソコンにファンが付いていることを知らない人も多いので気付きにくい点かもしれせんが、耳障りな音から開放されてコンテンツに集中できるため、個人的に静音性の高さというのはかなりのメリットに感じています。

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Celeronは用途を絞って割り切って使える人向け

intelのCeleronというブランドはかれこれ20年以上続いていて、世代が新しくなるたびに性能は上がっていますが、それでもいつになってもネガティブなイメージが付きまとう可哀想なCPUでもあります。

もしCeleron N3350をはじめCeleron搭載パソコンを買うのであれば、できることはある程度限られていることを理解しておきましょう。動作のもたつきは常につきまといますが、WEBサイトの閲覧や動画の視聴、カジュアルなゲームなど用途を絞って割り切ることができれば、大きなストレスを感じることなく使いこなすことができるのではないでしょうか。

最後に思い出話になりますが、僕はWindows VistaがメインOSだった頃に家電量販店でパソコン担当をしていたことがあります。田舎のお店だったので素人のお客さんが多かったのですが、やはり価格の安いパソコンを探そうとする方が多いんですよね。そうすると最初にご案内するのがCeleronを搭載したパソコンとなるわけです。

Celeronは非力なので素人こそおすすめしたくなかった記憶が今でもあります。その当時の上位のCPUだったCore 2 Duoを選んで欲しかったんですよね(笑)。それでもどのお客さんにもまずは用途を伺ってCPUやスペックの違いについて理解してもらい、展示されているパソコンからピッタリの1台を提案する接客を心掛けていたことを思い出します。その1台を選んでくれたときは嬉しかったし、これがやりがいでしたね。

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