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PS4「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」の感想。並列世界を駆け巡り謎を解くADV

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5pb.より好評発売中のPlayStation 4/PlayStation Vitaソフト「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」のPlayStation 4版をプレイしてみたので、簡単にですがゲームの感想を書いてみたいと思います。物語の真相に関わるようなネタバレはありません。

どうやらYU-NOにはいくつかの結末が用意されているようで、本来であればすべてのルート(エンディング)を攻略できてから書きたかったのですが、そうなると膨大なプレイ時間を要するので断念しています。

既にご存知の方も多いと思いますが、本作は今は無き美少女ゲームメーカー「エルフ」から発売されたオリジナルのPC-98(パソコン版)が存在しており、そこから一部内容を変更して移植したものがセガサターンで発売されました。そしてエルフから権利が譲渡されて5pb.から発売されたのは、キャラクター、グラフィック、ボイスなどを一新したリメイク版になります。

僕はYU-NOをプレイしたのは今回が初めてですが、面白いアドベンチャーゲームがあるということで当時から名前だけは知っていました。

個人的な思い出話で恐縮ですがそれを印象付けた当時の記憶があって、ゲーマーという程でもなく、パソコンにもあまり興味の無さそうな友人が、PC-98版のYU-NOをプレイしていて驚いた記憶があります。

当時のパソコンは今とは違ってまだまだ手が届きにくい高嶺の花のような存在で、価格は今以上に高価だし、インターネットは画像1枚を表示するのも一苦労のダイヤルアップ接続で、とりあえずパソコンを各家庭に1台普及させることを目標としていたような時代でした。そんな時代にわざわざパソコンまで買ってプレイするくらいだから、どんなに面白いゲームなのだろうと興味を抱いていたタイトルだったのです。

そこから時は流れて、2017年に5pb.よりYU-NOが発売されるということで先に書いた当時の記憶が蘇り、今回リメイク版を購入するに至りました。実のところゲームソフト自体は発売日に入手していましたが、なんだかんだで1年以上積んだ状態に…。TVアニメも近々始まるということで、放送が始まる前にひと通り触っておこうとプレイしてみることにしました。

ちなみに、本作の初回封入特典にオリジナルのPC-98版が遊べるDLCが付いていたのでどっちをプレイするかで悩んだのですが、アップデートによる新規ルート(他ゲームの宣伝だから評判は良くないみたい?)の配信が行われていたり、PC-98版にはトロフィーが無いということで今回はリメイク版をプレイしています。

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YU-NOってどんなゲーム?

出典 この世の果てで恋を唄う少女YU-NO(PlayStation)

この世の果てで恋を唄う少女YU-NOは、1996年に美少女ゲームメーカー「エルフ」から発売されたSFアドベンチャーゲームです。僕はアドベンチャーゲームの素人なので初めて知りましたが、本作は「数多くの名作アドベンチャーゲームを世に送り出した故・菅野ひろゆき氏の代表作の一つ。」なんだそうです。

ゲームの概要は、子供の頃に母親を亡くし、さらには2ヶ月前に歴史学者の父親を不慮の事故で亡くしつつも、その後に届いた手紙の内容から父親が生きているのではないか?と悟った本作の主人公「有馬たくや」が、手紙とともに送られてきた「リフレクターデバイス」と「宝玉」を使いながら、無数に広がる並列世界を駆け巡り、そこで直面する様々な謎を解き明かしていく内容です。

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面白いところ

90年代のレトロなアダルトADVの雰囲気

ゲームの進行は、テキストを読みつつ背景の気になる箇所を調べながら、様々な場所で出会うキャラクターと共にストーリーを展開させていく、昔ながらのオーソドックスなテーストの漂うアドベンチャーゲームで、オリジナルが18禁のアダルトゲームということで有馬たくやが話す会話の端々に下ネタが織り混ぜられていたり、思わず刮目してしまいそうな妖艶な姿のヒロインを拝めるシーンも用意されています。

そして昔のパソコン音源ならではのBGMも相まって、90年代独特のレトロなアドベンチャーゲームな雰囲気を肌で感じ取ることができました。

リメイク要素についてはやはり賛否両論があるようで、各々の思い入れによって極端なほどに齟齬があるようですが、YU-NOをプレイするのが初めて僕は特に気になるところはありませんでした。

リメイク版は、キャラクターデザインやボイスが今風に一新されたモダンなゲームデザインなので、初めてプレイする方には受け入れてもらいやすいだろうし、放送予定のアニメでもリメイク版の絵柄や声優が引き継がれると思うので、アニメに向けて慣れておく意味ではリメイク版をプレイする意味はあると思います。一応、BGMについてはアレンジとオリジナルで切り換えることができますよ。

A.D.M.S.(アダムス)で現在位置を可視化

本作の特徴的なシステムに「A.D.M.S.(アダムス)」があります。簡単に説明すると、ストーリーの分岐が用意されたアドベンチャーゲームにおける自分の現在位置とそこまでの進行ルートをマップ上に可視化したものです。アダムスを積極的に活用することで、様々な並列世界(ルート)を開拓する足掛かりになります。

自分が今どういったルートを歩んでいるのか、どこで分岐するのかなど、他のゲームではあまり見られない斬新なシステムで眺めるだけでも面白さを感じるほどでした。

宝玉で時をさかのぼる

アダムスで可視化したルート上に重要アイテム「宝玉」を置いておくことで、その地点にいつでも戻ることができるのも本作の大きな特徴と言えます。

例えば、手に入れたアイテムを過去にさかのぼって使用するときに宝玉を使うことができます。

僕はまだ宝玉の使い所に慣れないのですが、どの地点に宝玉を置いておくかを考えることにも面白さを感じました。YU-NOの面白さはストーリーだけじゃありません。宝玉を上手に活用することが全ルート攻略の鍵と言えるでしょう。

情景描写

ストーリーはひとつひとつの情景描写が非常に細かく書かれてあって、背景を調べるシーンで何の変哲のない箇所ひとつにしても重みがあり、主人公が考えていることがプレイヤーに伝わってくるので状況をイメージしやすく、好奇心を常に持ちながらプレイすることができました。

ゆえにテキスト量は膨大で、会話の中にいらないくだりが多いようにも感じることもありますけどね(笑

また、時折プレイヤーを和ませてくれるようなユーモアのあるテキストが読めるなど、これが菅野ひろゆき節とも言うべきか、いい意味でセンスのあるテキストに魅力を感じました。

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気になるところ

一部シーンでカーソルが合わせづらい

ゲームの気になる点で特筆すべきことはありませんが、挙げるとするならば、背景を調べるシーンで互いの虫眼鏡(調べられる場所)の位置が近いときに、DUALSHOCK 4のアナログスティックだとカーソルを合わせづらい、と感じることがあるくらいでしょうか。シーンによっては虫眼鏡の数が小さな範囲に乱立していることがあるので、そういったときに困ることがありました。

オリジナルがパソコンゲームなので、マウスで操作できると良かったかもしれないですね。

YU-NOをプレイするには

5pb.よりPlayStation 4版とPlayStation Vita版が発売されています(Vita版はVita TVに対応)。パッケージのほかダウンロードも用意されていて、それぞれの容量はPlayStation 4版が4.95 GB、PlayStation Vita版が2.1 GBとなっています。

どっちを選ぶか悩みますが、個人的にはダウンロードがおすすめです。すべてのルートを巡ろうとするとプレイ時間が長くなるのは避けられないので、ディスク入れ替えの手間なくいつでも起動できるダウンロードは本作との相性は良いと感じています。

PC98版が遊びたい方はプロダクトコード付きを探そう!


ちなみに、初回封入特典のPC-98版が遊べるプロダクトコードの有効期限ですが、もともと2018年3月15日までだったのが、期間が延長されて現在でも使用可能になっています。

リメイク版よりもPC-98版をプレイしたい方もいると思ので、そういった方はプロダクトコードが未使用なパッケージがないか新品の在庫、もしくは中古ショップやオークションを探してみて、残されていればそこでゲットするという方法を取ることができます。

Nintendo Switch版とSteam(PC)版が発売予定

また、Nintendo Switch版とSteam(PC)版の発売も予定されているようです。記事執筆時点で発売時期は未定ですが、アニメの放送に合わせて発売されることが予想されます。

個人的には、TVモードと携帯モードで切り替えてプレイできるNintendo Switch版に魅力を感じます。実のところ僕はテレビの画面でプレイするだけでなく、PlayStation Vitaのリモートプレイを活用して寝っ転がったり楽な体勢でプレイしていたりしました。

YU-NOはテキストを読み進めるゲームなので、本を読むように顔を俯けたり楽な姿勢でリラックスしながらプレイするのも悪くないですよ。

以上、PlayStation 4版の「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」をプレイした感想(評価)でした。

オリジナルの発売から20年が経過し、この機会にようやくプレイすることができましたが、いやはやとても面白いです。

息つく暇もないほど謎が謎を呼ぶシナリオに並列世界を駆け巡るアダムス、ちょっとHなシーンを堪能したり、お気に入りのヒロインを追いかけていい雰囲気なったと思ったらBADエンディング?だったりと、ストーリーの面白さだけでなく男心をくすぐる演出も含まれていて、道中飽きることなく楽しむことができました。

こんなに面白いゲームをアンティークのままに眠らせておかずに、今は無きエルフから5pb.へと、メーカーの垣根を超えて現代に蘇らせてくれたスタッフの皆さんには感謝しかありません。

余談:簡単なピクロスを解けるようにしておくといいかも

ちなみに、これからYU-NOを初めてプレイする方にアドバイスしておくと、とあるルートでピクロスのようなパズルを解くシーンがあるので、ピクロスに不慣れな方で攻略に頼りたくない方は、簡単な問題を解けるようにしておくと足止めせずにピクロスをパスすることができると思います。

僕は攻略に頼りたくなかったのでなんとか自力で解きましたが、不慣れなので幾分時間がかかってしまいました(泣)

これは自分でも気づかなかったのですが、実はゲーム内のConfigにピクロスの答えを表示する機能があるのです。(ものすごく親切!)。足止めしたくない方は答えをすぐに参照することもできますよ。