築25年が経過した我が家では一昨年にリフォームを実施し、そのタイミングで外壁や風呂場、一部の洗面台などが新しいものに切り替わりました。このときに僕が普段よく使用している洗面台はそのまま使い続けることになったのですが、つい先日から洗面台に備え付けの水道のハンドルを閉めても、ポタポタと一滴ずつ水漏れが止まらない症状が出始めてしまいました。
この症状を初めて確認したのは関東地方で珍しく雪が積もった日だったので最初は雪に原因があるのかなと思ったのですが、それから数日が経過してもポタポタが止まる気配がありません。父曰くパッキンが云々と言うのですが、水栓の仕組みの理解が素人な自分には何のことなのかイマイチ分かりません。
蛇口から水漏れが止まらなくなったTOTOの洗面台「WY05171」
この状態を放置しておくわけにもいかないので解決策をネットで調べてみると、蛇口からの水漏れは恐らく「ケレップ」という部品の劣化に原因があるのではないかと判断。新しい洗面台に買い替えたり業者に修理を依頼せずとも、新しいケレップを用意すれば素人の自分でもなんとか直せるような気がします。
このケレップですがAmazonで価格を調べてみると非常に安価なんですよね。こういった後押しもあって、今回はネットの知恵をお借りしつつ蛇口から流れる水漏れを自分で直してみることにしました。修理の結果ですが、一部苦戦するシーンがあったものの素人の自分でも修理することができましたよ。
ということで当エントリーではTOTOの洗面台「WY05171」を例に、蛇口からの水漏れの直し方を解説していきたいと思います。
購入したケレップの紹介
まず最初に僕が購入したケレップの紹介をしたいと思います。今回購入したのはカクダイの「ゴム付きケレップ 呼13用」(品番:9072)になります。Amazonで購入しましたが価格は200円程度でした。
ケレップには15mm(呼13)と21mm(呼20)とサイズ違いがあるようで、どうやら15mmというものが一般的に使われているサイズとのこと。本来なら現在使用中のケレップのサイズを確かめてから購入するべきですが、僕はサイズを調べるのが面倒だったのでとりあえず一般的と言われる15mmを購入しました。結果的には15mmで問題ありませんでしたよ。
使用した工具の紹介
使用した工具は「ウォーターポンププライヤー」「ピンセット」「プラスドライバー」「マイナスドライバー」になります。マイナスドライバーは無くても大丈夫だったかもしれません。
画像のプライヤーはKTCの「WPD1-300」というもので、正直これがなかったら自力での修理は不可能でした。プライヤー以外だと「レンチ」がその役目を果たすでしょう。
蛇口の水漏れの直し方
作業前の検証で水漏れの原因はお湯側のケレップに問題があると推測できましたが、使い始めてから25年が経過していることや購入したケレップが2個入だったことから、お湯側と水側の両方を交換することにしました。
まず初めに作業中に蛇口から水が流れ出ないように、洗面台の止水栓をしっかり止める必要があります。TOTOの洗面台「WY05171」の場合、洗面台の真下を確認すると添付画像のように2本の配管を確認できます。それぞれ左側がお湯、右側が水となっており、ハンドルを時計回りに回せば水流を止めることができます。水流を止めた後、念のため水道のハンドルを回して水流が止まっていることを確認しておきましょう。
ちなみに前書きで「苦戦するシーンがあった」と書きましたがそれがここでした。ハンドルを回すだけですが、25年もの間おそらく一度も回転していないであろうハンドルは強固なまでに固まっていました。ここは文明の利器、ウォーターポンププライヤーを使って辛うじて水流を止めることができたのです。
次はハンドルを取り外します。ハンドルにはお湯を示す「赤」と、水を示す「青」のカバーが被せてあり、カバーを外すことでネジ(ビス)が姿を表します。
このカバーですが、僕はカバーとハンドルの隙間に先端が平らなマイナスドライバーを差し込んで、テコの原理を応用してみることにしました。結果としてはドライバーを隙間に差し込むだけですぐに外れましたね。
カバーを外すとネジが姿を表しました。
続いてドライバーでネジを緩めていきますが、その前にネジやその他の部品が誤って排水口に入り込まないようにするために、念のため排水口にゴム栓をしたりフィルターなどを被せておくことをおすすめします。
ネジはドライバーを反時計回りに回すと緩めることができます。
ネジが外れたらハンドルを持ち上げて取り外します。ネジは紛失しないように一旦保管してください。
今度はハンドルの下から「スピンドル」と「ナット」いう部品が顔を出しました。中央にある軸のようなものがスピンドルで、その周りを覆っている丸いものがナットです。一見するとひとつの部品のようにも見えますが、それぞれが独立した部品になっています。
次はこのスピンドルを取り外しますが、その前にスピンドルを固定しているナットを取り外す必要があります。ナットはかなり頑丈に締め付けられているので工具を用意する必要があります。
ここは先程も使用したウォーターポンププライヤーを使いました。プライヤーを使ってナットを反時計回りに回していくと緩めることができます。ある程度緩められたら手で回して外してしまいましょう。
ナットを外すことができました。ナットも無くさないように一旦保管しましょう。
次はスピンドルですがこちらの取り外し方法は至って簡単。
先ほど取り外したハンドルを再度被せます。その後、反時計回りに回転させるとスピンドルを取り外すことができます。
ハンドルの内側にスピンドルが収まった状態で取り外すことができました。
次は水漏れの原因ともなっているケレップを取り外します。水道を覗いてみると真ん中に丸い点のような物が見えますがこれがケレップのようです。
これはケレップの一部が出っ張っている状態なのですが、工具などで掴んで持ち上げる必要があります。僕は手元にあったピンセットで持ち上げました。
これがケレップです。水道のハンドルを回すことでケレップの位置が上下に移動し、給水される水の量をコントロールする重要な部品のようです。
実物を見るの初めてですがコマのような形をしているんですね。このときハッとしたのですが、父が言っていたパッキンというのは恐らくこの黒いゴムの輪っかのことだったんだろうと思いました。恐らくコマの部分と丸いゴムの部分の総称をケレップと呼ぶのでしょう。
パッキンもしくはコマの部分にヒビ割れなどが発生し、そこに水が侵入することでハンドルをいくら回しても水漏れが止まらなかったのかもしれません。ただ、取り出したケレップを眺めてみると目に見えるような劣化は無さそうなんですよね。あと、パッキンに触ると手が真っ黒になりますね…(笑)
新しく用意したカクダイのケレップ(左)と、25年使用してきたケレップ(右)を並べてみました。
大きな違いはコマの素材。カクダイのは金属ですが25年ものはプラスチックでした。
新しいケレップに入れ替えたら今回の目的は達成。あとはこれまでとは逆の手順で部品を取り付けて元の姿に戻せば作業は終了となります。
最後に水道のハンドルを回して蛇口からの水漏れが直ったかを確かめましょう。以上、お疲れ様でした!
まとめ:蛇口の水漏れは自分で修理できる!
修理にあたり最初は不安がありましたが、ネットの知恵をお借りして自分で水漏れの修理を行うことができました。
今回のケレップの交換作業で蛇口の水漏れが直ったかですが、どうやら水漏れは直ったようでハンドルを閉めることでポタポタと発生していた水漏れは一切起こらなくなりました。取り出したケレップを見た限り、目に見える劣化は無いように感じられたので水漏れの原因は他にあるのかもと思ったのですが、やはり原因はケレップ(パッキンもしくはコマ)にあったみたいです。
修理における重要なポイントは、止水栓や元栓をしっかり閉めて水の流れを完全に止めてから作業を開始すること。今回のケースだと止水栓のハンドルが硬すぎて苦労しましたが、作業自体は極めて簡単なのでやり方さえ把握してしまえば素人でも修理できると思います。蛇口から流れ出る水の量がどのようにコントロールされているのかも理解できたし、そういった意味では一石二鳥の出来事でした。