先日、「宇宙よりも遠い場所」というTVアニメを観ました。
発端は「今季のTVアニメで良かった作品はどれか?」を議論するネットの記事を眺めていたときに、このアニメが良かったと多くの人が賞賛していたのがきっかけになります。
僕は普段からアニメを観ることがあまりありません。決してアニメが嫌いとかじゃなくて、数が沢山ありすぎてどれを観たらいいか迷っているうちに、結局見ないままになってしまっていることが多いんですよね。
僕が最近のアニメで全話を通しで観たのは「干物妹!うまるちゃんR」でした。うまるちゃんの2期はどことなく良い話方向に路線変更したみたいで内容的に悪くはなかったのですが、1期みたいにうまるちゃんの干物妹っぷりが薄れてしまったのがちょっと物足りませんでした。うまるちゃんの友達は良い人ばかりなので、2期ではそれに影響されたうまるちゃんの成長が描かれていたように感じましたね。
話を戻して、僕が見たネットの記事では作品名しか挙げられていなかったのでこのアニメが賞賛ざれている理由は分かりませんでしたが、うまるちゃんも見終わったことだしそこまで賞賛されているならということで、宇宙よりも遠い場所を観てみようと思いました。
宇宙よりも遠い場所というタイトルだけで頭のなかで想像したのはズバリSFアニメ。たとえば「銀河鉄道999」みたいに、宇宙を旅しながら目的地を目指すようなストーリーを想像していましたが、調べてみると予想していたのと全然違って、女子高生の4人組が南極を目指すという思いも付かないような内容でした。
宇宙よりも遠い場所 1話「青春しゃくまんえん」の感想
視聴を始めてすぐに抱いた印象は、絵がとても綺麗で登場人物が活き活きして良く動くこと。
空の景色や日常的な風景の描写や空気感の演出がとても素晴らしく、どことなく新海誠さんの作品に似ているかなという感じがありました(意識してるのかな?)。教室の掲示物などの背景も細かく描写されていて、これ本当に「深夜アニメ!?」という驚きもありました。
深夜アニメって低予算で作られているイメージがあるので、アニメのクオリティの高さに正直驚きましたね。なんだか深夜アニメの枠に留めておくのが勿体無いくらいです。
出典: TVアニメ『宇宙よりも遠い場所』 (@yorimoi)
↑南極といえばペンギン。玉木まりの部屋にあるペンギンのぬいぐるみは、この先に起こる出来事への伏線なのでしょうか。
1話の印象的だったシーンを挙げてみると、まずは小淵沢報瀬です。
彼女は南極に行くためにバイトをして、貯めた100万円を紛失したことでトイレに篭って泣くシーンがあって、そのお金を拾ってくれていた玉木マリが目の前に現れたときの表情とリアクションに、私が当初抱いていた彼女のイメージとのギャップがありました。
その容姿や雰囲気から、彼女は真面目でクールな性格なのかなと思っていたんですよね。まあ紛失した額が額だし自分だって100万円を落としたら泣きたくなるし、もし見つかっても泣きたくなると思います(笑)。感情が剥き出されたリアルな人間味が出ていたのが印象的でした。
もしかしたら1話のタイトル「青春しゃくまんえん」の“しゃく”は、「癪に障る」から来ているのでしょうか?誰だって100万円を落としたらイライラするし泣きたくなりますよね。
出典: TVアニメ『宇宙よりも遠い場所』 (@yorimoi)
そして1話のクライマックスシーン。
青春を追い求める玉木マリが、母が南極で行方不明の小淵沢報瀬の誘いに乗って「南極観測船しらせ」の下見に広島の呉市に向かうシーンは、バックで流れるエンディングテーマと相まって、「この盛り上がり方は最終回でしょ!?」と感じるくらいに見入るものがありました。
群馬県から広島県への移動って高校生の活動範囲を超越してます!玉木マリからは見知らぬ土地へ赴く、内に秘めた決意とドキドキ感が画面越しに伝わってきましたね。
高校生が南極に行くって青春ってレベルを超越していると思うけど、自分ももし行ける機会があれば行ってみたいと思うかもしれません。
宇宙よりも遠い場所を観て、南極は無理だけど僕も普段の日常生活では体験できないようなことにチャレンジしてみたいなぁと、そんな余韻に浸らせてくれた1話でした。
余談:映画「ペンタの空」を思い出した
このアニメをきっかけに「ペンタの空」という映画を思い出しました。
僕が小学生の頃に学校の体育館で学年で集まって観た記憶があるのですが、調べてみると1991年夏に「ふしぎの海のナディア」と一緒に映画館で上映されていたみたいですね。本来は映画館で視聴するもののようですが、僕と同じように学校で観たという方もいるのではないでしょうか?多分、学校が企画したものではないと思うんですよね。
ストーリーは日本に住む主人公の少年が、ひょんな事からペンギンの卵を手に入れて、卵から雛を孵化させた後に、成長したペンギンとともに船に乗って南極に送り届けるのですが、道中色々あって一筋縄ではいかない前途多難が待ち受けるお話だったと記憶しています。
ペンタの空を観た僕は子供ながらにストーリーに惹き付けられるものがあったのか、今でも偶にこの映画のことを思い出してはその度に見返したくなるのですが、DVDは出てないしビデオ・オン・デマンドで配信もされていないので、現在では視聴するのは難しいようです。一応、VHSではあるようなのでレンタルビデオ店とかで探せばあるかもしれませんが、ビデオデッキはもう持っていないという方も今は多いでしょう。
「ペンタの空」で検索すると、サジェストのキーワード候補に「ペンタの空 DVD」と出るくらいだし、僕と同じように子供の頃に映画を観た記憶が大人になってから蘇ったという人もいるんじゃないかと思います。
子供の頃に観た映画って不思議と見返したくなるもの。東宝さんにはこの機会に是非DVD化などをお願いしたいですね。