当サイトには広告が含まれています

PS Vita「天使憑きの少女」の感想。少女を救うために天使に生かされた女性の奇跡の物語

スポンサーリンク

有限会社だいだいよりPlayStation Storeで好評配信中の、PlayStation Vitaダウンロード専用ソフト「天使憑きの少女」(てんしつきのしょうじょ)をプレイしました。

僕自身の長いゲーム歴の中で、これまであまり興味を示さなかったアドベンチャーゲームに最近になってから魅了されたこともあり、面白そうなアドベンチャーゲームがあれば取り敢えず購入するようになりました。

本作もそのうちの1本で、PlayStation Storeでゲームを検索していたときに偶然発見したのですが、まず驚いたのが360円(税抜き)という価格の安さ!どうやら改定後にこの価格になったようで、セールに関係なくいつでもこの価格で購入することができます。

またアドベンチャーゲームを購入する上で登場人物の作画や背景などのデザインは大事な要素ですが、公式サイトに掲載された画像を見る限りなかなか自分好み。けれどもヒロインたちとの恋愛模様が描かれるような雰囲気はなく、どうやら終始シリアス路線のお話になる模様。

それでもなんとなくサクッとプレイできそうな気がしたし、価格が安いのでつまらなくても後悔はないということで試しに購入してみることにしました。

そんな天使憑きの少女をクリアしましたので、ネタバレをなるべく抑えつつゲームをプレイした感想(評価)を簡単にまとめておきたいと思います。

スポンサーリンク

「天使憑きの少女」とは

本作はテキストを読み進めていくアドベンチャーゲームで、道中には随所に選択肢が挿入。選択肢によってストーリーが変化することはありませんが、誤った選択をしてしまうとバッドエンドを迎えてしまいます。

ゲームは全4章から成り、オムニバス形式で構成されていて、手術中の医療ミスにより母親を失った少女が執刀医を憎むお話、幼馴染の男の子に再び恋をさせたいと願う前向きで明るい浮遊霊の少女のお話、臓器移植をテーマに胸を患う少女と姉、そして友人や仲間たちとの絆が描かれるお話など、一見するとどのシナリオもバラバラに思えても実は密接にリンクしあっていて、すべては最後に起こるひとつの奇跡に集約されています。

スポンサーリンク

感想:暖かな愛に包まれたシナリオに感動

シナリオ

天使憑きの少女をクリアした後の心地よい余韻に浸りながら記事を書いているのですが、生と死に向き合った真っ直ぐなシナリオに最後まで夢中にさせられてしまいました。

人間の生と死が描かれるドラマに聖天使や死天使といった目に見えない存在(一部の人間には見える)が介入するお話で、天使たちは人々の思いを集めて奇跡に変換したり、ときには人の命を代償に奇跡を与えたりと、彼らが起こす様々な奇跡によって人々が生かされる様が描かれていました。

医療ミスにより母を失った少女が執刀医に銃口を突きつけるシリアスな展開からゲームが始まるので、この重苦しい雰囲気に「僕には合わないかも?」と思ったりもしましたが、直後に魅せられる感動的なシナリオや魅力的な登場人物たちのおかげで最後までプレイできました。

オムニバス形式によって章ごとにシナリオが変わるも、すべては最後に起こるひとつの奇跡に向けて道筋が組まれていて、伏線を回収する繊密なシナリオはとても見事でした。このゲームのシナリオは、最初から天使たちが用意していたものだったのです。

ゲームの感想を一言で表すと、人に優しく、そして大切に想いたくなるゲームだったかなと思います。エンディングを迎えたときに、その暖かな愛に包まれたシナリオに自分自身が満たされると同時に、「CLANNAD AFTER STORY」を観終わったときに抱いた感情と似たものを感じました。

また、本作にはアドベンチャーゲームにはお約束の美少女キャラクターが何名か登場しますが、プレイヤー自身が誰かと恋愛するような描写というのはありません。一応、一周目をクリアするとプレイできる並行ルートの最後の最後で、そういった描写が少しあるくらいです。

ちなみに、個人的なベストヒロインは生徒会長を務める「相葉絵理香」でした。モデルのような容姿端麗な美貌の持ち主で何事にも真面目な性格の彼女ですが、そんなツンツンしてデレない彼女にいじられたいなと思いつつプレイしていました(笑)

グラフィック

PlayStation Vitaに最適化されているそうで、登場人筒の作画や背景などのグラフィックを含めて、とても綺麗に描画されていると思いました。

但し、オリジナルは2006年発売なので作画はちょっと古めの印象があるかもれません。

サウンド

全7曲のBGMのほか、エンディングでボーカル入りの曲が流れます。どの曲もその場の状況にマッチしていて悪くありませんが、エピソードが終わるときやエンディングで流れる、幸せに包まれるかのようなBGMには感動しました。

気になるところ

ボイスや音量を調整できるオプション機能がありません。そのため、ボイスがBGMにかき消されてしまい声が聞こえにくく感じる箇所がありました。

まとめ

天使憑きの少女は、人間の生と死について考えさせられたり、感動できるシナリオを堪能したい方におすすめできるアドベンチャーゲームです。

360円で購入できるのでアドベンチャーゲームの入門用にも持ってこいだし、ボリュームも価格以上あるので満足感も充分です。

知名度はあまりないと思うので、まさに隠れた名作といったところでしょうか。個人的には心に残る名作になりました。

スポンサーリンク

「天使憑きの少女」をプレイするには

PlayStation StoreでPlayStation Vita版(Vita TV対応)が配信されています。価格は360円(税抜き)です。ダウンロード専売のためパッケージ版はありません。

容量は約715MBです。ダウンロード時にはメモリーカードの空きを確認してから購入するようにしましょう。

また、DMM GAMESにおいて本作のパソコン版が発売中です。全年齢向けですが、PlayStation Vita版と内容に違いがあるかは不明です。

但し、価格が2,400円(税抜き)と割高なのと、サポートされているOSがWindows XP / Vistaと古いOSに限られるので、今現在パソコン版でプレイするのは現実的ではないでしょう。