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CPUグリスの塗り直しに初心者が挑戦!使い切りサイズのシリコングリスを使ってみた

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僕が現在使用しているパソコンは、マウスコンピューターの「NEXTGEAR-MICRO im550BA4-SP2」という機種になります。2014年に購入したものなので、この記事を書いている2023年現在からすると約9年前の古い機種になります。

購入時のスペックはOS:Windows 8.1、CPU:Core i7 4770、メモリー:8GB、ストレージ:1TBHDD、グラフィックス:GeForce GTX 750Tiという構成で、BTOでケースのサイドパネルを中身が見えるものに変更したり、電源ユニットをグレードアップして購入したのでした。このうちストレージについては後にSSDへと交換。OSもWindows 10へとアップグレードしています。

近年流行りを見せている「eスポーツ」の普及に伴い「ゲーミングPC」という単語を耳にする機会が増えてきましたが、僕が購入したNEXTGEAR-MICROもマウスコンピューターのゲーミングPCブランド「G-Tune」の名を冠したれっきとしたゲーミングPCで、当時としてはそこそこ高性能でした。

そのため購入から長い年月が経過した現在であっても、インターネットを閲覧したり動画を視聴したり、ゲームであっても負荷の低いタイトルであれば、データの読み書きが早いSSDの快適性も相まって不満なく快適に動作してくれるのです。

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CPUグリスがどうなっているか心配

もはや10年選手とも言える僕のパソコンですが壊れる気配はまだ感じられません。これからもできるだけ長く使い続けるためにメンテナンスを行おうと考えました。

それは以前から頭の片隅でやっておきたいと考えていた、CPUグリスの塗り直しになります。CPUはパソコンの頭脳とも言える重要なパーツですが、そこから発生する熱を抑えるためにグリスが塗布されてあります。グリスは消耗品のため塗り直しをせずに使い続けると乾燥してしまうことがあるそうで、そうなるとCPUの温度が上昇することで熱暴走を引き起こす原因にもなりかねないようです。

このパソコンはほぼ毎日使い続けていますが、これまで一度たりともグリスの塗り直しをしたことがありません。やり方を調べてみると難易度は低そうに思えますが、CPUに関わる作業なので慎重な対応が求められます。

パソコン歴は20年以上あるのでパーツ増設などの経験はあるものの、何分初心者の域を脱していないので苦手意識があります。CPUの温度を確認してみるとアイドリングで40度前後、高負荷時で60~70度くらいと適正の範囲内に収まっているようですが、やはりグリスの状態が心配なのでここは思い切って自分でCPUグリスの塗り直しにチャレンジしてみることにしました。

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使い切りサイズの「GS-01」に決めた

CPUグリスをネットで検索してみると様々な商品があることが分かりますが、僕がここで重視したのがグリスの性能ではなく”内容量”になります。僕はこの一度きりしか使わない予定なので容量の大きいものは必要ありません。

使い切りサイズ且つ、安価な製品があればそれが理想ですが、果たして存在するのでしょうか?探した結果今回購入したのは…

アイネックスのシリコングリス「GS-01」になります。Amazon.co.jpで購入、価格はオープンプライスのようですが100円強で購入できました。

内容量 1.5g、熱伝導率 0.55W/m・Kという性能を持っているそうです。

CPUグリスの容器はどれも注射器のような形をしているようですが、GS-01はお寿司に付いている小さい醤油パックと同じで小袋にグリスがパッケージされており、使い切りサイズであることが特徴となっています。

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CPUクーラーを取り外してみた

ここからは僕が所有しているマウスコンピューターのNEXTGEAR-MICROを使って、CPUのグリス塗りに挑戦した過程を記事にしていきます。なお分解を伴う作業になるため、失敗するとパーツにダメージを与えたり、最悪パソコンが起動できなくなってしまう恐れがあります。もしこの記事を参考に作業を行う場合は自己責任でお願い致します。
グリスの塗り直しの前後でCPU温度を比較したい場合は、作業を行う前に温度の計測をしておきましょう。

まずはCPUのある場所ですが、「CPUクーラー」という冷却装置の下に隠れているので、まずはこの装置を取り外していきます。CPUクーラーは「ファン」と「ヒートシンク」を一体化したものとなっています。

CPUクーラーを確認してみたところ4つのネジでマザーボードに固定されていました。ここではドライバーを使ってネジを緩めていきます。

ちなみにこのパソコンの場合ですが、ドライバーでいくらネジを緩めてもネジ穴からネジが外れることはありませんでした。ある程度緩めると”カチッ、カチッ”と音が鳴るので、その音がネジを回しきれた合図だったようです。

CPUクーラーを取り外してみるとCPUが現れました。表面にグリスが付着していますね。

グリスの状態ですが触ってみるとまだ粘土のような粘り気がありました。正直9年ものなので、水分を失って粉のように乾燥したり固まっていると予想していましたが予想外の展開に。もしかするとまだ問題のない状態だったのでしょうか。

CPUクーラーの裏側を覗いてみるとこちらにもグリスが付着していました。

ここではこれらの古いグリスをきれいに取り除く必要があります。やり方ですが僕はティッシュを活用しました。ネットで調べてみて最初はウェットティッシュを使おうと思いましたが、機械を濡らすことに抵抗があったのでティッシュにしてみました。

そしてこちらがティッシュでグリスを除去したあとのCPUの状態になります。どうなることかと心配しましたが、なんの問題もなくキレイにすることができましたよ。CPUクーラーの裏側も合わせてキレイにておきましょう。

それにしてもなんて神々しい輝き。これがCore i7 4770なんですね。当時はこのCPUに憧れがありました。人間でいう頭脳と同じ役割を持つ重要なパーツですが、こうやって分解でもしない限り、なかなかお目にかかることができないのが勿体ないですね。

CPUにグリスを塗ってみた

CPUへのグリスの塗り方ですが調べてみると様々あるようで、たとえ同じグリスであっても塗り方ひとつで効果が変わってくる可能性があることを知りました。

ここで少し悩んだのですが、ネットで散見できる情報を参考にさせて頂き、今回はCPUの表面全体に薄い膜を張るように塗ってみることにしました。

まずはCPUの中央付近にグリスを適量垂らします。

適量かは分かりませんがこれくらい盛ってみました。

なおCPUグリスGS-01ですが、最初に塗布したときに「あれ、粘り気がないしこんなにも液体っぽいのかな?」と疑問が生じました。恐らくですが、小袋の中で粘度のある成分と液体の成分がやや分離していた可能性があると考えました。対処法としては小袋を開封するまえに手で軽く揉んでグリス全体を馴染ませておくと良いかもしれないと考えましたが、それでもこのグリスの粘度は他と比較すると弱めかもしれません。

こういった経緯があったためこれは2回目の塗布となります。使い切りサイズのGS-01ですが、3回くらいは塗布できる容量となっているようです。

今度はヘラを使ってグリスを表面全体に薄く、そして一定方向にムラなく伸ばしていきます。

先端が平らなヘラを使うのが理想ですが、手元になかったので僕はアイスのスプーンを代用してみました。

グリスの塗布が完了しました。

上手くできたかは分かりませんが、丸みを帯びたスプーンを使ったのでムラなくキレイに塗るのは難しかったですね。

CPUクーラーを取り付けてネジで固定すれば作業は終了となります。

PCを起動して動作確認をする

最後に、パソコンを起動して動作に支障がないかを確認しました。インターネットの閲覧などの普段使いからゲームのベンチマークで高負荷をかけて動作を観察してみたり、またそのときのCPU温度を計測しグリスを塗る前と比較したりしました。

結果的に問題なく動作していると判断。グリスの塗り直しでCPUの温度に変化があるかと期待していましたが、その前後で大きな変化が生じることはなかったようです。

懸念点があるとしたら今回使用したアイネックスのGS-01は安価な製品のため、今後の耐久性が気になることが挙げられます。CPU温度をたまに観察し、異変を感じることがあればまた塗り直しにチャレンジしてみようと思います。

まとめ:初心者でもCPUグリスは塗り直しできる

今回はパソコンのCPUに塗布されているグリスの塗り直しにチャレンジしてみました。ネット記事などで作業工程は何度も目にしていましたが、実際に自分で経験することによってこの作業に自信を持つことができました。細心の注意を払う必要はありますが初心者でも行える作業だと思います。

また、作業に用いたアイネックスのGS-01も使い切りサイズということで過剰に余ってしまうこともなく、破棄の手間も省けるのがいいところだと思います。実のところあと1回は塗布できる容量が余っているのですが、GS-01のパッケージにビデオチップ(グラフィックカード)にも使える旨が書かれてあったんですよね。僕はこれまでCPUグリスの塗り直ししか頭になかったので、これは盲点だったと気付かされました。

Core i7 4770同様にGeForce GTX 750Tiも10年選手なので、そこに塗布されたグリスの状態はやはり気になるところ。余っている1回分はグラフィックカードに使ってみようとも考えています。